33種類の家庭廃棄物の廃棄物特性を明らかにし, その特性に基づく分類を試みるために, 首都圏の40~50歳代の主婦210名のアンケート調査を分析した結果は, 以下の諸点に要約される. (1) 33種類の家庭廃棄物に対する評価得点の結果から, 衣類, 紙類は他と比較し, 環境負荷イメージが相対的に低いという印象の形成されていることなどがわかった.また, 分別方式の違いによる廃棄行動を明らかにするため, 評価得点の平均値の差の検定を行った結果からは, 3種分別グループは, 5種分別グループよりも家庭廃棄物の捨て方に不安や罪悪感を持つことが多く, 安全性に配慮する視点の弱いことが明らかになった. (2) 因子分析の結果, 「廃棄物の存在による負担感」, 「カスケード利用の可能性と環境負荷性」, 「廃棄の容易性」の三つの因子が抽出され, これらの因子に基づき, 33種類の家庭廃棄物が特徴づけられた. (3) 因子分析による因子得点を郡化の手法として用いた非階層的クラスター分析の結果, 33種類の家庭廃棄物は, (1) 持ち帰り弁当の容器, 食器, わりばし, 下着類, 靴・鞄, 靴下・パンティストッキング, OA古紙, (2) 食料品, 食品トレー, 缶類, 紙パック容器, プラスチックボトル, ガラス瓶, スーパーの袋, ダンボール・空き箱, 新聞・雑誌, (3) 使い捨てカイロ, ゴム製品, 化学ぞうきん, 紙おむつ, (4) 廃油, 乾電池, 蛍光灯・電球, ヘヤースプレー容器, 殺虫剤容器, (5) 布団・マットレス, じゅうたん・カーペット, 家具, 家電製品, 自転車・オートバイ, (6) 和服, 外出用洋服, セーター・シャツ類の六つのグループに分類可能なことが分かった.そして, (1) は廃棄物の存在による負担感が小さいグループ, (2) は廃棄の容易性がきわめて大きいグループ, (3) は廃棄物の存在による負担感, 廃棄の容易性ともにきわめて小さいグループ, (4) はカスケード利用の可能性, 環境負荷性ともにきわめて小さいグループ, (5) は廃棄物の存在による負担感がきわめて大きいグループ, (6) はカスケード利用の可能性がきわめて大きく, 廃棄容易性のきわめて小さいグループであることが明らかになった.