本研究では, 水中運動が, 閉経後の骨量減少の抑制に効果的であるか否かを検討した.8カ月齢Wistar系雌ラットに卵巣摘出術または偽手術を施した.術後15日目に, 卵巣摘出群は, 非運動群と水中運動群に分けた.なお, 本研究期間中 (170日), ラットには固形飼料と水道水を自由摂取させた.その結果骨密度, 腸管からのカルシウム吸収, および筋重量は卵巣摘出により低下した.しかし水中運動群の骨密度および筋重量は非運動群に比べ有意な高値を示した.腸管からのカルシウム吸収量においては, いずれの群も飼育期間中減少したが, 水中運動群は非運動群に比べ, その減少が有意に抑制された.また, 水中運動によりエネルギー代謝が充進された.以上より, 水中運動は, 閉経後の骨代謝の改善に効果的であることが示唆された.