フェンネル種子の熱水抽出物は, 水一エタノール系のリノール酸の酸化に対して合成抗酸化剤であるBHTとほぼ同等の強い抗酸化活性を示した.この抽出物から分離したメタノール可溶性区分をセファデックスLH-20カラムクロマトグラフィーで分画した.強い抗酸化活性を示すフラクションの精製を繰り返し行い, 数種の化合物を単離した.機器分析データの解析により, これらの化合物は4-O-β-D-グルコシルシナピルアルコール, 4, 9-di-O-β-D-グルコシルシナピルアルコールおよび4-β-D-グルコシルオキシ安息香酸と同定した.これらの化合物はいずれもコントロールに比べて, 酸化を抑制する効果を示した.