市販清涼飲料水中のビタミンC含有量をフードアナライザーにより測定した結果, 以下のことが明らかとなった. (1) ビタミンCの測定に際して, フードアナライザー法は従来から行われているインドフェノール法と一致した測定結果を示した.フードアナライザー法は, 1,000mg/dl程度のビタミンC濃度において希釈することなく直接測定が可能であった. (2) 概して茶飲料系はビタミンC量が少なく, 炭酸飲料系のビタミンC量は非常に高い傾向にあった. (3) ほとんどの炭酸飲料系の製品ではそれを1本利用すると, 1日のビタミンC所要量を充足できる可能性は高いが, 茶飲料系の製品はその値を充足できる製品が50%に満たなかった. (4) 文献値から得たドリンク剤のビタミンC含有量 (mg/dl) は本調査で行った清涼飲料系に比べて約5倍以上の含有量であった.しかし, 1本当たりの内容量はドリンク剤よりも清涼飲料系の方が約4倍量と多いので1本当たりのビタミンC含有量を比較した場合, その差は約1.5倍に縮小した.特に, 炭酸飲料系の場合は上述とは逆にドリンク剤と比べて1・5倍ビタミンC含有量が多い結果を得た.