ナガイモ, イチョウイモ, ツクネイモを試料とし, その凍結乾燥粉末のレオロジー的性質を検討した. (1) ビスコグラムによる挙動は, いずれのイモも未加熱で粘性が認められ, 加熱により粘性は上昇するがピーク後, 粘性は減少した.凍結乾燥試料は生イモに比べて粘度立ち上がり温度, 最高粘度はほぼ同じであるが, ブレークダウンが大きく, 低温域での粘度低下が認められた. (2) 3種のイモの未加熱での貯蔵弾性率 G ', 損失弾性率 G “の値はナガイモ<イチョウイモ<ックネイモであった.加熱により G ', G ” はともに上昇した.上昇開始温度は64.5~76.5℃であり, 70.5~85.0℃でピークを迎え, その後急激に減少した.凍結乾燥ヤマノイモの加熱による粘弾性の変化のパターンは各生イモと類似しているものの測定開始粘度, 最高粘度はイモの種類により異なり, ナガイモは減少の割合が大きく, ツクネイモは生イモより高い粘弾性が認められた. (3) 応力緩和の測定より, 3種のイモはいずれも平衡弾性率を有するマックスウェルの7要素模型として近似的に解析することが出来た.ナガイモは弾性率, 粘性率ともに小さく, ツクネイモは大きい値を示した.