8週齢のWistar系雄ラットにカルニチンを投与して長鎖脂肪酸の酸化を促進し, 脂肪の蓄積や肥満の抑制など脂質代謝系の改善効果があるかどうか, 高脂肪食および運動負荷した場合について検討した. ラットを非運動群 (対照区, カルニチン投与区), 運動群 (対照区, カルニチン投与区) に分け, 4週間高脂肪食で飼育して最後の2週間にカルニチン投与 (100mg/匹/日) および自由運動を負荷した.カルニチン投与によって飼料摂取量が増加したにもかかわらず, 非運動群では体重増加率および腹腔脂肪率は対照区と差がなく, 運動群ではいずれも低下した.非運動群, 運動群ともカルニチン投与区で血清TG, 肝臓のChol, TGおよびTBA価は低下した.非運動・対照区に比べて運動・カルニチン投与区は血清 T-Chol, TG, TBA価および肝臓脂質はすべて低下し, 血清 β-ヒドロキシ酪酸は増加してカルニチン投与による脂質代謝の改善効果が認められた.特にTGは血清, 肝臓ともカルニチンおよび運動負荷の相乗効果が認められた.