夏季において, 昼間の覚醒時と夜間の睡眠時それぞれについて, JAMの使用が寝床内気候に及ぼす影響および人体生理との関連を検討するため, 実験を行い考察した.結果は以下のとおりである. (1) 褥瘡の発症しやすいとされる仙骨部下周辺の腰や背部において, 覚醒時, 睡眠時ともに, 寝衣内, 寝床内の絶対湿度は, JAM使用時の方が使用しない場合より低い値を示した. (2) 直腸温はJAM使用時の方が使用しない場合に比べ, 昼間の覚醒時は高い値を示し, 夜間の睡眠時は低い値を示した. (3) JAMに接している部位の皮膚温は使用時の方が使用しない場合に比べ, 覚醒時, 睡眠時ともに低い値を示した. (4) 夜間の睡眠時の実験において, JAM使用時の場合, 腰の寝床内温度と室内の温度との問に正の相関が得られた. (5) 主観的評価は, 覚醒時は, 温冷感においてJAM使用時の方が良好な評価が得られ, また, 睡眠時は湿潤感においてJAM使用時の方が良好な傾向が得られた.