骨つきのマアジをから揚げにしてマリネ処理するときの温度の違いによる魚の物性とくに骨の硬さと成分の変化について調べ, 以下の結果を得た. (1) 官能検査において, 浸漬時間による硬さの差は, 魚肉ではみられなかったが, 骨ではマリネ処理の時間の長い方がやわらかいと評価された. (2) マリネ処理した魚の骨の硬さは, 揚げた魚を高温で食酢に浸漬した方が低温にしてから食酢に浸漬したものよりも低下の程度が大きかった, (3) 高温浸漬による酢漬魚は, 低温浸漬によるものよりも重量増加が大きく, pHの低下, 食酢の浸透が速やかで浸透量が多いことが認められた. (4) 骨つきのマアジを油で揚げて後マリネにすると, カルシウムなどの無機成分が溶出して骨が軟化していることが示された.