牛すね肉スープにおけるすじの効用を明らかにするため, すね肉からすじを除いた肉およびすじ入りの肉からとったスーフ.のペプチド, 核酸, ゼラチンや遊離アミノ酸等の成分を測定し, 味覚試験の結果と合わせ, 比較検討した。その結果次のことが明らかになった. (1) 牛すね肉すじの入ったスープはすじを除いた肉からとったスープに比べ, ゼラチン, ペプチドの溶出が多く, 逆に, クレアチニン, クレアチン, 核酸および糖は, すじを除いた肉から取ったスープの方に多く検出された. (2) 遊離アミノ酸量は, セリン, スレオニン, グルタミン, アラニン, グリシン, アスパラギン酸, グルタミン酸, ヒスチジン, アルギニンはすじ入り肉のスープに多く存在した.一方, 味と強く関係あるとされるジペプチド, カルノシン, アンセリンはすじなし肉から多く抽出された. (3) 味覚試験では, すじ入り肉からのスープの方が旨味, まろやかさが強く感じられ, すじなし肉スープは酸味, 渋味が顕著に強く感じられた.総合的には 1% の危険率で有意にすじ入り肉の方が好まれた.