(1) 加熱による大豆の軟化とタンパク質の変化を検討するため, 大豆を一晩浸漬後経時的に加熱し, PAGE パターンの変化を観察した. その結果, 加熱に伴い移動度の最も速い低分子領域のバンドの増加が認められた. (2) 生大豆および経時的に加熱した大豆の各粗抽出液の ACE 阻害活性を測定したところ, 生大豆には阻害活性は認められず, 1時間加熱によって, 未加熱 (浸漬のみ) 大豆に比較し約7倍の阻害活性の増加が認められた. (3) 未加熱および 1時間加熱大豆粗抽出液のSephadex G-100 によるゲルろ過のパターンを比較したところ, 加熱により高分子量領域のピークが減少し, 低分子量領域のピークが増大したが, ACE 阻害活性はいずれも分子量1万以下の低分子量領域に認められた. (4) 1時間加熱大豆粗抽出液をペプシン消化させたものを Sephadex G-100 によるゲルろ過を行ったところ, ACE 阻害活性は未処理のものと同様に低分子量領域に認められ, 本阻害活性はペプシン消化後も残存していた.