1989年, 家庭科が小・中・高を通して男女で共に学ぶ教科として位置づけられて以来, 家政学会においても, 家庭科教育学会においても, 家庭科のあり方について数多くの議論が重ねられてきた.中央教育審議会の審議のまとめが出され, 教育課程審議会が発足した今日, 教育課程の次期改訂が大きな課題となってきている.このような時期に本シリーズが企画されたことは時宜を得たものといえる.座談会にはじまり, 16人の家政学関連の方々からそれぞれ専門の立場で家庭科教育の現代的課題について論じていただいた.これらに対して家庭科教育の立場からは, 高部和子氏よりコメントをいただくことができ, これからの家庭科教育発展に大きな示唆を得ることができた. 以下, 本企画を通して論じられた事を中心に, 家庭科教育の現代的課題に家政学がどう迫ればよいかについて考察を進めたい.