ゴマリグナン物質であるセサミノール, セサミンのα-Tocを含むToc, Toc-3同族体混合物 T-mix に対する増強効果の有無を調べることを目的として実験を行った.その結果として以下の事項が明らかになった. (1) 20mg/kgT-mix飼料を摂取したラットはビタミンE欠乏症状を示した.この時, 生体内には α-Toc-3も微量検出されたが大部分はα-Tocであり, 摂取量の多いγ-Toc-3や, またδ-Toc-3は検出されず, α-Tocの「生体内優位性」が保持された. (2) セサミノールは20mg/kg, 50mg/kgのいずれの飼料濃度でもT-mixに対してα-Toc, α-Toc-3 増強効果を示し, ビタミンE欠乏状態を改善したが, α-Tocの「生体内優位性」は保持された. (3) セサミンもT-mixに対してα-Toc, α-Toc-3 増強効果を示したが, その効果はセサミノールより弱く, 0.2%濃度添加が最も効果的であるという非濃度依存的な傾向を示した. 本研究は, 平成7, 8年度文部省科学研究費「基盤研究 (c) (No.07680051) 」の補助を受けて行った.