市販マーガリン・ファットスプレッド類, マヨネーズ・ドレッシング類について脂肪酸組成およびビタミンE含量を分析した. 脂質量は, マーガリン・ファットスプレッド類25.13~80.61%, マヨネーズ類 (マヨネーズおよびマヨネーズタイプのドレッシング) 32.79~78.93%, ドレッシング類9.50~35.02%であり, 製品により大きな違いがみられ, 脂質含量における多様化が著しかった. 脂肪酸組成をみると, マーガリン・ファットスプレッド類ではC18 : 1, Cl8 : 2, C16 : 0が多く, 原材料油脂が表示された製品ではそれぞれの油脂の脂肪酸組成と同様な組成であることが確認された.また, リノール酸が豊富である旨の表示がされた製品の中で特にリノール酸が多くはないものもみられた.P/Sは1.27~4.44, n-3/n-6は0.00~0.38であり, 製品により大きな違いがみられた.マヨネーズ・ドレッシング類では, C18 : 1, C18 : 2, C16 : 0, C18 : 3が多く, 原材料油脂の表示がみられたものは, いずれもその油脂を反映してリノール酸が多く含まれていた.P/Sは2.70~5.48と比較的高値であり, n-3/n-6はリノール酸含量の高い製品で低値であった. ビタミンE含量は, マーガリン・ファットスプレッド類では5.5~35.3mg/1009, マヨネーズ類およびドレッシング類では, 2.2~31.6mg/100gであり, いずれも製品により大きな違いがみられた.E/PUFAは, マーガリン・ファットスプレッド類で0.40~1.40, マヨネーズ類で0.36~1.06, ドレッシング類で0.57~2.59であった. 現在市販されているマーガリン・ファットスプレッド類, マヨネーズ・ドレッシング類では低脂肪化, 低エネルギー化へ製品の多様化が進んでおり, 適正な脂質摂取バランスの把握には脂質量ばかりでなく脂肪酸組成等についても適切な表示が必要と思われた.