鶏骨スープの有効利用を目的として, スープ調製液にエタノールを添加し酸味料 (GDL, 酢酸, 乳酸) によりpH5.0程度に変え, 98℃で超音波照射有無で抽出した鶏骨スープの保存性とそのスープの品質について検討を加えた. (1) 酸味料・エタノール添加スープは, 照射有無ともに30分間加熱で, スープの Bacillus, Micrococcus などに対する殺菌効果が認められ, 28日間の保存が可能であった. (2) 酸味料・エタノール添加スープは無添加のスープに比し, 色調では明度が顕著に高く透明であったが, 呈味成分は多少減少した. (3) GDL・エタノールの存在下において照射30分間加熱抽出したスープは, 従来の最適条件とされる無照射90分間加熱抽出に比し遊離アミノ酸のグルタミン酸アスパラギン酸, グリシンなどは同等値を示し, 5'-イノシン酸やヒドロキシプロリンの溶出量も高く, 官能評価では鶏骨臭が弱くスープの味を損なわない評価を得た.