研究室で調製した麺をゆであげ直後に2種類の家庭用冷凍庫で急速凍結および緩慢凍結し, 冷凍貯蔵後, 自然解凍 (40℃で90分間) および加熱解凍 (沸騰水中で30秒間) してレオロジー的性質およびデンプンの糊化度の変化についてしらべ, 次の結果を得た. (1) 冷凍貯蔵により麺線のかたさが増大し, 凝集性, 引張り強度, 伸び率が低下した.麺線のヤング率は冷凍貯蔵3日目に上昇した後低下した.麺中のデンプンの糊化度は冷凍貯蔵3日目に低下し, その後はほとんど変化しなかった. (2) 加熱解凍すると, 麺線のかたさ, 引張り強度および緩慢凍結試料の糊化度以外は, 冷凍貯蔵による変化がほとんどみられなくなった. (3) 急速凍結と緩慢凍結の相違は, 自然解凍試料のかたさ, 加熱解凍試料の糊化度において顕著で, 緩慢凍結の方がかたさが大きく糊化度が低かった.その他の特性値についても, 緩慢凍結の方が影響が大きい傾向がみられた. (4) 麺線の凝集性および伸び率の変化は, デンプンの糊化度の変化と並行していた. (5) 以上の結果から, 冷凍貯蔵によるゆで麺のレオロジー的性質の変化は, デンプンの老化に起因するところが大きいと推察した.