品種および収穫時期の異なるニンジン (あすべに五寸, 千浜五寸, カロチンキャロット, 向陽二号, ベータリッチ), ホウレンソウ (パンドラ, ディンプル, サンマリノ, サンクスト, TS510-P), コマツナ (夏楽天, 極楽天, 笑天, みすぎ, 浜美2号) の植物ステロール量, 脂肪酸量および脂肪酸組成を調べた. ニンジンの総植物ステロール量は品種により多少の差が見られたが, 総脂肪酸量には差は見られなかった. ホウレンソウの総植物ステロール量は11月収穫の露地栽培, ハウス栽培ともに2月収穫の露地栽培のものの約2倍量含有されていた.11月収穫のものでは栽培方法および品種による差は見られなかったが, 2月収穫のものでは品種間で有意差が見られた.総脂肪酸量は2月収穫の方が11月収穫のものよりも高かった. コマツナの総植物ステロール量は10月収穫の方が2月収穫のものよりも高く, 両者の問に有意差が見られた.10月収穫では「みすぎ」の総植物ステロール量が高く, 他の品種との問に有意差が見られた.総脂肪酸量は2月収穫の方が高かったが, 同じ収穫時期では品種による差は見られなかった. ニンジン, ホウレンソウおよびコマツナの総脂肪酸量はいずれの品種・栽培条件・収穫時期においても成分表の値よりも高かった. 脂肪酸組成に関してはニンジンではリノール酸が64~69%を占め, ホウレンソウとコマツナではα-リノレン酸がそれぞれ50%前後, 47~60%を占めていた.