本研究では, 経口投与された茶カテキンが, 他の食品成分とどのような相互作用をしながら腸管に至るかを明らかにすることを目的に, モデル系での実験を試みた.カテキンと各種食品成分混合溶液を遠心分離後, その上清液についてカテキン定量を行ったところ, その値の低いのはタンパク質系のミルクカゼインと牛血アルブミンであった.また, この上清液についてのHPLCでのカテキンの分別定量を行ったところ, コーンスターチ, ミルクカゼイン, 牛血アルブミン1%において (-) -エピカテキンガレート (ECg), (-) -エピガロカテキンガレート (EGCg) の減少が見られた.UVスペクトル測定では, コーンスターチ, ミルクカゼインにおいてη電子の励起によると思われる短波長シフトと吸光度の減少, 3%アルブミンではπ電子の励起によると思われる長波長シフトと吸光度の増加が認められた.