本報の目的は, 農業者夫妻の生活時間配分の実体を明らかにし, 平等なパートナーシップを確立することに役立てることである.調査は1997年10月~1998年3月に実施した.調査協力者は三重県, 茨城県, 長野県において積極的にグループ活動を行っている女性農業者とその夫である.結果は以下のとおりであった. (1) 農業労働従事日において, 妻の生理的生活時間および社会的・文化的生活時間は夫より短かった.妻は夫より全労働時間が長かった. (2) 農休日において, 夫も家事労働を行っているが, 妻の家事労働時間の長さは顕著であった.農休日であるにもかかわらず, 妻は休めない状態にあった.夫妻の問での社会的・文化的生活時間の差が顕著であった.本調査結果から, 農業者夫妻の平等なライフスタイルを確立するために, 生活時間配分の是正の必要性が認められた.