トラ豆よりエタノール分画, DEAE-セルロースクロマトグラフィー, Sephacryl S-200 ゲルろ過により電気泳動的に均一なα-アミラーゼインヒビターを精製した.インヒビターは分子量 40,000, 糖含量 9.1% であり, アミノ酸分析の結果, Asx, Ser, Val, Thr, Glx を多く含んでいた.インヒビターはブタすい臓およびヒトだ液α-アミラーゼ活性を阻害したが, 植物や微生物由来のアミラーゼ活性は阻害しなかった.本インヒビターのブタすい臓α-アミラーゼに対する阻害活性は pH に依存しており, pH 5.0, 37℃ 下で反応させた場合, 約 30 分後に阻害活性は最大となった.インヒビターの pH 安定性に関してはpH 3.0~7.0 において安定であり, また, 熱安定性に関しては 70℃, 20 分間の加熱後も 80% の活性が残存していた.