煮熟したラッカセイの特性を明らかにするために, 物性の測定, 組織観察および官能検査を行い, ダイズおよびインゲンマメの場合と比較検討した. (1) ラッカセイのテクスチャーは, ダイズおよびインゲンマメと比較すると粘性が大きく, もろさの値が小さい傾向を示した. (2) 組織観察の結果, 煮熟後のラッカセイは生と比較して, インゲンマメと同様にデンプン粒が膨潤し, プロテインボディが加熱前の球状の形態を失っていた.リピッドボディは細胞内で大きく融合し, ダイズに比べるとサイズの大きい脂質滴を形成していた.また, 細胞壁の形態はマメの種類によってそれぞれ異なる特徴をもっていたが, いずれも煮熟後に細胞壁の中層部での分離が顕著であり, そのことが組織の軟化の原因であった. (3) 官能検査の結果, ラッカセイはダイズ, インゲンマメに比べて香り, 口どけのよさの点で有意に高い評価を得た.調味したラッカセイの煮豆は2種類とも好まれる傾向にあり, ラッカセイの煮豆としての利用が期待できる.