「ハレ」の日の食生活の変化を捉えるため, 1986年から1995年の正月三が日間の喫食実態調査を首都圏の女子短大生に行った.10年間, 3日間の喫食時刻の時系列解析により, 平準化傾向について以下の結果を得た. (1) 主食と汁物は高出現時刻において, 1.0件/人で幅がみられなかった.副食と嗜好食品では1.2~5.8件/人と, 時刻により1人当たり料理件数に幅がみられた. (2) 主食, 副食, 汁物, 嗜好食品, 雑煮およびおせち料理の時刻ごとの喫食比率は, ベイズ的平滑化法により年効果・日効果を含むトレンドが認められた. (3) 主食, 副食の喫食時刻は, 元日に10~12時と19時の2ピーク, 2日目および3日目に9時, 12時, 19時の3ピークの分布を示した.この喫食時刻は, 1995年に向け分散化傾向がみられた. (4) 正月の行事食料理は元日の10時頃によく喫食され, 喫食時刻と料理内容が日常と異なるものであることが女子短大生の調査から明らかになった.また, 3日目に向け喫食時刻と料理内容は日常の食生活パターンに近づいた.この傾向は, 10年間でより強まる傾向を示した.