菌床栽培されたキノコに含まれる血小板凝集関連物質について調べ, 8種類のキノコのうち特にヒラタケ ( Pleurotus ostreatus ) の水可溶画分にADP, コラーゲンあるいはトロンビンによるヒト血小板 (220×106/ml) の凝集に対して非常に強い阻害活性 (IC50=11.6~27.1μg/ml) を認めた.本物質は, 茶褐色の液体で100℃, 1時間の加熱にも90%以上の活性を残すこと, またヒラタケから得た凍結乾燥品はラットおよびヒトの血小板凝集を阻害し, ヒトが摂取した場合はt-PA放出による血中線溶亢進の起こることも確認された.本物質は, 大量生産の可能なことから種々の血栓性疾患に対する予防目的の機能性食品素材として期待される.