う蝕 (虫歯) は, ミュータンス菌 ( Streptococcus mutans や S. sobrinus などの虫歯菌) の作るグルコシルトランスフェラーゼの作用によりスクロースより不溶性のグルカン (IG) が形成されることで始まる.黒ビールよりエタノール沈澱, DEAE-トヨパールにより精製したIG合成阻害成分はインベルターゼ活性を示した.インベルターゼによりスクロースがグルコースとフルクトースに加水分解されるためIG合成が阻害され, S. sohrinus のガラス表面への付着 (虫歯菌の歯への付着のモデル) が阻害された.黒ビールは淡色ビールに比べ多くのインベルターゼを含んでおり, より強いIG合成阻害を示した.黒ビールのインベルターゼは酵母由来であった