同一形態のブラウスで, 明きの異なる4タイプの実験衣を用いて着脱動作を行った結果, 次のことが明らかになった. (1) 着衣・脱衣の動作過程について共通したプロセスとして類型化出来た. (2) ボタンかけの手の操作は, ほとんどの被験者が両手で行っていたが, 片手でボタンをはずす場合, 被験者はボタンの付いている側の手で行っていることが観察された. (3) 動作の所要時間は, 明きが異なると動作時間に有意な差が見られた.被り型タイプCが最も時間が短く, 後ろ明きDは他のタイプに比して有意に時間を要し, 着衣時間は他のタイプの約2倍を要していた.打ち合わせの異なるタイプAとBでは, ボタンのかけはずし操作に有意な時間差が見られ, Bタイプが時間を要していた. (4) 着用感では, SD法による官能評価は, タイプAとBは, 打ち合わせが異なることによるイメージの差として「着慣れた」「スムーズな」「とめやすい」「違和感のない」「着やすい」の項目で評点が分かれた.シルエットのイメージは, AとDは「上品な」「女らしい」の項目で同じ評価をしている.被り型Cは, 「カジュアルな」の評点が他のタイプより高かった.また, 総合評価の着脱しやすさはタイプA, C, B, Dの順であった. 本研究の概要は (社) 日本家政学会第48回大会において発表した.