納豆菌培養液から新規エラスターゼを見出し, 精製し結晶化した.その酵素は硫酸アンモニウムとカラムクロマトグラフィーを4回行って精製することができた。60%硫酸アンモニウム溶液中で結晶化を行い, 斜方晶形の結晶を得た.酵素はSDS-PAGEにより分子量が29.8kDa, 等電点8.5, 至適pH 8.5, 至適温度50℃で, pH 8.0-9.0で安定であった.酵素のエラスチン分解能とカゼイン分解能を比較するとプロテアーゼ活性よりもエラスチン分解能が高かった.このエラスターゼはセリンプロテアーゼインヒビターのDFP, PMSFと金属イオンに阻害された.以上の性質から, この酵素は既報のエラスターゼとは異なることが明らかになった.