(1) 水素産生細菌である, E. cloacae GAOの培養液の有機酸の挙動を分析したところ, コハク酸が生成されることが明らかとなった.これが E. cloacae GAO特有の性質であるかを確認するため, Enterobacteriaceae の4種の細菌を用いて, 培養中における有機酸の生成量を比較した.その結果, どの細菌も培養にともなって, 有機酸を生成することが明らかとなった.特に, E. cloacae GAOと C. freundii において, コハク酸と乳酸の生成量が顕著であった. (2) 比較に用いた5種の細菌すべてに, コハク酸の生成が認められたことから, コハク酸生成と水素産生に関連のある酵素, α-ケトグルタル酸デヒドロゲナーゼの活性を, 粗酵素液を用いて比較検討した.その結果, コハク酸生成量の最も高かった E.cloacae GAOが総活性, 比活性においても最も高い値として示された.