食生活及び食に関する意識・知識の発達段階における変容を把握するとともに, それらの相互関連性を明らかにすることによって, 効果的な食教育の方法について検討した。 (1) 食生活と意識との間には相互関連性が認められ, 食と健康とはかかわりがあるという意識を有するものほど, 朝食の欠食が少なく, おやつの量も健全であった. (2) 約半数の児童は, 栄養に関してあいまいな知識が定着していた.また, 食生活と知識との問には相互関連性が認められなかった. (3) 学校教育においては, 家庭科を中心として保健や学校給食での指導をかかわらせながら, generalな意識が認識された上で, 栄養素の働きという個別でより詳しい知識の理解へ進むという, 系統的な学習過程を考える必要があると思われる. (4) 問題のあるおやつの習慣が定着している児童は過半数を占めた.また, 食事と異なり, おやつについては, 必ずしも家庭で話されていない様子も見受けられた.健全な食生活を送るためには, 児童だけでなく, 保護者においてもおやつの重要性を認識することが重要であり, 実践を促すような学校から家庭への働きかけも必要であると思われる.