従来の食生活調査に心理面の調査項目を加え, 中・高生, 大学生の食生活を中心とする生活習慣と精神的健康度の関連性について, 性別および生活パターンが異なる中・高生, 大学生の2者間の比較を含めて検討を試みた. (1) 性別, 中・高生および大学生の各区分別にUPIの各尺度の平均得点を比較したところ, 身体的愁訴項目UPI (P) を除き, UPIの各尺度の平均得点に男女差は認められなかった.また, 大学生に比較し, 中・高生の方が平均得点が高かった. (2) 日常生活状況項目とUPIの関連性を比較したところ, 中・高生, 大学生ともに現在のストレス度, 健康状態, 睡眠に関する項目などと比較的高い有意な相関が認められた. (3) 食生活項目とUPIの関連性を検討したところ, 中・高生の場合は男子に, 大学生の場合は女子に関連の認められる項目が多かった. (4) 食生活項目の中でも食品の摂取頻度とUPIの各尺度との分散分析を行った結果, 中・高生, 大学生ともに肉類, 牛乳・乳製品, 野菜類の低摂取頻度群の方が平均得点が高い, 即ち精神的健康度が低い傾向にあった.