洗剤を使用しないで食器を洗浄するアクリルたわしの洗浄性及び衛生性について, 洗剤使用による洗浄との比較実験を行ったところ, 以下の結果を得た. (1) 磁器とポリプロピレン製の皿に加熱前後のハンバーグをのせて汚れを付着させた場合, アクリルたわしの洗浄力は, 台所用石鹸及び合成洗剤を用いてスポンジ洗浄した場合と同等であることが認められた. (2) ポリプロピレンの食器に加熱後のハンバーグをのせて汚れを付着させアクリルたわしで洗浄した場合, 低い水温では洗浄力が低かったアクリルたわしが, 水温を上げることによりその洗浄力は高まり, 台所用石鹸と同等の値が得られた. (3) アクリルたわしの使用後の衛生性については, 加熱後のハンバーグによる汚れであれば, 石鹸で洗浄するなどの簡単な方法で十分に衛生的に保てるが, 生魚などの生鮮食料の汚れの場合には, 石鹸洗浄に加えて塩素処理が必要である. 以上のように, アクリルたわしの洗浄力が一定条件下ではあるが, 洗剤使用のスポンジ洗浄の場合と同等であること, さらに衛生的にも簡単な処置で衛生性が保てるという結果が得られた. 尚, 本研究の一部は1999年度 (第46回) 日本家政学会九州支部大会において発表した.