鶏肉とホワイトソースを混ぜ90℃で加熱すると肉から溶出してくるタンパク質によりソースが分離する.このソース分離は, タンパク質の溶出量に有意な差が無いにも関わらず, 75℃加熱で抑えられた.水溶性タンパク質を含む肉抽出液の吸熱温度曲線を示差熱量計で測定したところ吸熱終了温度は約85℃を示し, 75℃では, タンパク質の熱変性が終了していないことが分かった.75および90℃加熱した肉抽出液より得られたタンパク質凝集体についてSDS-PAGE法およびReolograph Sol法により調べたところ90℃加熱の方が75℃加熱よりもタンパク質の重合体がより大きくより硬いことが判明した.これらのことは, 90℃加熱中に鶏肉より溶出してくるタンパク質が巨大で強固な構造を持つことがソース分離に関与していることを示唆している.