室内でペット (犬か猫) を飼育している25軒の住宅と飼育していない住宅35軒の居間での浮遊真菌・細菌濃度を夏季 (8月) と秋季 (10月) に測定した.同時に, 清掃, 換気, 冷暖房の使用などについてのアンケート調査を行った.また, 居間において, 気温, 気湿を真菌・細菌濃度測定日を含めて, 5分間隔で7日間連続測定し, その平均値を各住宅の気温, 気湿とした. 居間の気温は夏季28~30℃, 秋季17~20℃であり, 気湿は両季節とも50~70%であった.気温, 気湿にペット飼育の有無による差異は認められなかった.ペット飼育家庭での真菌濃度は0.07~0.09 CFU/ l , 細菌濃度は0.27~0.35 CFU/ l であり, ペット非飼育家庭の真菌濃度0.02~0.05 CFU/ l , 細菌濃度0.13~0.15 CFU/ l に比較し高い値を示した.ペット飼育家庭で高い真菌・細菌濃度を示した家庭の特徴は, 「部屋の換気をあまり行わない」「掃除の回数が少ない」であった.これらの結果は, 室内でペットを飼育する場合には清掃, 換気などに注意する必要があることを示唆するものである.