東南アジアには豚肉を非加熱製品として食する習慣が共通してみられる.この伝統発酵肉中の微生物の分離と, その分離した細菌を用いてモデル実験を行い成分の変化を検討した.酸肉から Lactobacillus pentosus , lactobacillus acidophilus , Lactobacillus plantarum をはじめとする Lactobacillus 属, Lactococcus 属, さらに Bacillus 属, Entercoccus 属が分離できた.分離した Lactobacillus pentosus, Lactobacillus acidophilus, Bacillus amyloliqmefaciens を用い, 豚肉の分解実験を行った.その結果, 有機酸においては乳酸の生成が顕著に見られた.遊離アミノ酸においては, 疎水性アミノ酸や分岐鎖アミノ酸の増加がみられた.また, 肉タンパク質が分解され, 低分子タンパク質の生成が認められた.