保育所乳児19名の, 離乳開始後から生後1年までの摂食場面の継続観察を行い, 以下の結果を得た. (1) スプーンからの液体摂取は中央値6.5カ月 (IQR0.9カ月, N = 16) にこぼすことなく可能となった.椀からの液体摂取は, その試行開始月齢が中央値7.0カ月 (IQR1.0カ月, N = 19) の場合, 中央値9.0カ月 (IQR1.5カ月, N = 19) には介助されれば連続飲みが可能な状態だった.コップからの液体摂取は, その試行開始月齢が中央値9.5カ月 (IQR1.0カ月, N = 19) の場合, 中央値10.0カ月 (IQR1.5カ月, N = 18) には介助されれば連続飲みが可能となった.また, 11.5カ月には一部の乳児が自分で椀およびコップを持って一人で飲むことが可能となった. (2) 介助で口に運んでもらえば食物を歯ぐきまたは前歯でかみとる機能は中央値8.0カ月 (IQR1.0カ月) に可能となり, 自分で食物を口に運びかみとる行動は中央値8.5カ月 (IQR1.5カ月) に習得した. (3) 麺をすすって食べる機能は, 約2~3cmのウドン麺に対し中央値8.5カ月 (IQR1.5カ月) に観察されはじめ, 約5cm以上の麺では中央値9.5カ月 (IQR0.5カ月) に可能となった. (4) 半固形食が中心に与えられている5.0~7.5カ月においては, 20~62%の乳児が「丸飲み」を示したが, 固形食が中心となる10.0カ月以降には全ての離乳食に対し「丸飲み」する乳児は観察されなかった.ただし, 麺類についてだけ「丸飲み」を示す乳児は7.5カ月以降増加傾向を示し, 9.5カ月以降では約40%以上の対象が「丸飲み」で麺類を食べていた. (5) 固形食試行開始後に離乳食を「飲み込めない」様子は, 固形食試行開始直後の7.0および7.5カ月に各1名, 8.0カ月以降は24~39%に観察された.このような「飲み込めない」食物に対し乳児は練習を繰り返す内に嚥下可能となり, また果物に対しては好んで食べている様子が観察された.