小豆を浸漬および浸漬後冷凍し, これらの前処理が小豆の加熱による吸水率, 軟化の速度定数および煮熟時間に及ぼす影響を検討した. (1) 小豆の吸水率は浸漬処理により大きくなり, さらに冷凍処理により促進された. (2) 試料の軟化は一次反応として近似でき, アレニウス式から算出される99.5℃における速度定数は, 冷凍処理0.110, 浸漬処理0.089, 未処理0.070 (min-1) となった. (3) 最適軟化率と軟化の速度定数より小豆の最適加熱時間を予測したところ, 冷凍処理24.2分, 浸漬処理32.3分, 未処理71.7分であった.冷凍処理の最適加熱時間は未処理の34%に短縮された.