本研究では, 中・高校生の「対子ども社会的自己効力感」の学年進行による発達的変化や男女差を明らかにすること, また, この「対子ども社会的自己効力感」が「対仲間社会的自己効力感」とどのような関連性を持っているのかを検討することを目的とし, 中・高校生へのアンケート調査を実施した. その結果, 以下のことが明らかになった. (1) 「対子ども社会的自己効力感」は, 一因子構造であり, 中学よりも高校が, 男子よりも女子が高いことが明らかになった.ただし, 男女差については, 学年が上がるにつれ, 縮まる傾向が示された. (2) 「対子ども社会的自己効力感」は「対仲間社会的自己効力感」と正の相関を持っていることが明らかになった. (3) 「対仲間社会的自己効力感」は, 「提案・要求・主張の社会的自己効力感」と「共感・援助の社会的自己効力感」からなる二因子構造であり, 「共感・援助の社会的自己効力感」の方が, 「対子ども社会的自己効力感」との正の相関が高いことが示された.