サゴ, とうもろこしおよび馬鈴薯澱粉に, 分離大豆タンパク質 (SPI) および粉末豆乳 (SMP) を用いてブラマンジェを想定したゲルを調製した.SPI, SMPの添加方法は粉末法と液体法を用い, アミログラムによる粘度特性, ゲルのテクスチャー, 保型性, 色調および官能評価に及ぼす影響を検討した. 1) SPIの添加濃度が増すに従って, いずれの澱粉分散液も膨潤, 糊化が早まり, 冷却25℃における粘度が増加したが, SMP添加による影響は少なかった. 2) SPIの添加量が増すに従って, とうもろこし澱粉ゲルの硬さ, 付着性, 弾力性および保型性が増加した. 3) 官能評価からSPIおよびSMPの添加量は液量に対していずれも5W/w%程度がよく, SPI添加ゲルは外観, 色, 硬さ, 弾力性が好まれ, SMP添加ゲルは滑らかで風味の良いゲルになると評価された. 4) 液体法でSPIまたはSMPを添加したサゴ澱粉ゲルは粉末法に比べて, 硬さ, 弾力性, 凝集性および付着性が低下したのに対し, 馬鈴薯澱粉ゲルでは硬さが増加した. 5) SPIまたはSMPを添加した馬鈴薯澱粉ゲルはコントロールに比べて保型性を増したが, とうもろこし澱粉ゲルでは保型性が低下した.サゴ澱粉ではSPIの添加により, 保型性は増した. 6) 官能評価による添加方法の比較において, 液体法で添加したSPIおよびSMPゲルは口ざわり, 総合評価の項目において粉末法よりも好まれた.