世界各地の伝統的な小麦粉発酵食品中には, 一つの試料中に酵母や桿菌, 球菌等大きさや形態の異なった様々な微生物が存在していることが明らかとなった. (1) 分離した微生物によるグリアジン分解をSDS電気泳動で比較した結果, 酵母に比較して Bacillus 属の産生する酵素による分解が顕著であった. (2) 小麦患者血清を用いた抗原抗体反応の結果は, 小麦アレルゲンである37kDaや16kDaの抗原抗体反応は, 小麦粉製品により異なっており, 発酵食品中の微生物の産生する酵素の作用の可能性を示す結果を得た.