高等学校「家庭一般」住居領域において, 生徒が興味・関心を持って取り組めること, 家族や社会とのかかわりを重視すること, 生活を総合的にとらえることを目的に授業を実践し, 授業終了後の生徒に対するアンケート調査並びに確認テストから授業評価を行った.結果は, 次の通りである. (1) 住居選択を導入したことにより, 住居を自分自身の問題としてとらえることができ, 多くの生徒は興味・関心を持った. (2) 住居の「安全面」や「環境面」に関する学習内容を新しい知識として生徒は受け取っていた. また, これらにおける知識の理解度も高かった. (3) 「家族の生活」, 「老後の生活」を取り上げたことにより, 家族や社会とのかかわりから住生活を考えさせることができた. (4) 3つのライフステージで授業構成をしたこと, 環境, 経済, 生活時間などの学習内容に加えたこと, 住宅選択を通して自分の価値観を再認識させたり生活を実感させたことにより, 人間の発達過程を視野に入れ住生活を総合的にとらえさせることができた. (5) 生徒の身近な問題, 近い将来として想定できる内容を取り上げることで, 自分の生活を振り返ったり, 自分の生活に生かしたいという態度を育てることができた. 以上, 授業を受けた生徒からは本授業案に対し, 概ねよい評価が得られた. 今後, 家政学や高等学校家庭科を考えると, 家族や社会とのかかわりや生活を総合的にとらえることはますます重要になってくると思われる.今後, 人の一生をいくつかのライフステージにわけ, そこに衣食住さらに家族, 消費, 環境, 福祉なども含めた総合的なカリキュラムの構想について, 検討していきたいと考える.