ケルセチンおよびエピガロカテキンガレートのラジカル捕捉活性に及ぼす加熱の影響について検討を行った.100℃加熱において60分後および480分後のラジカル捕捉活性は, 両者とも100%および80%保持されていた.このことは, 通常のゆで調理では抗酸化作用が保持されることを示す.また, 加熱によりエピガロカテキンガレート量は減少していたが, ラジカル捕捉活性は残存していた.180℃加熱においても, ケルセチンおよびエピガロカテキンガレートの含量はラジカル捕捉活性よりも速やかに減少した.このことから, ラジカル捕捉活性は, 加熱分解生成物によって保持されていることが明らかとなった.15分間の180℃加熱では, ラジカル捕捉活性は80%以上保持されていた.従って, 揚げ調理やオーブン調理のような通常の高温調理操作ではラジカル捕捉活性は保持されていると考えられる.