1. 福岡県の東部に位置する行橋市簑島海岸において 1992 年 3 月から 1993 年 2 月まで毎月採集したマテガイの全軟体部を内臓部分 (生殖腺, 中腸腺, 胃, 腸) と筋肉部分 (外套膜, 水管, 足, 鯉, 閉殻筋) の 2 つに分け, 一般成分の分析を 1 年間にわたって行った. 2. 全軟体部の一般成分の年平均値は, 水分 80.2%, 灰分 1.6%, タンパク質 14.8%, 脂質 1.0%, 糖質 2.9%, グリコーゲン 2.3% であった. 3. 軟体部中, 内臓部分の割合は 24~31% である.4 月を最高に, 6 月まで減少し以後 11 月までほぼ同じ値で推移する. 12 月から翌年の 4 月へ向かって増加する. 4. 一般成分分析の結果より, 周年を通じて大きく変動する成分はタンパク質と糖質 (グリコーゲン) で, タンパク質と糖質は一方が増加するとき他方は減少する傾向が見られた. 糖質含量の多い 1 月から 5 月頃が食べ頃と考えられる.