屋外物置購入世帯を対象に調査を行い, その購入経緯や収納状況を明らかにするとともに, 居住者の収納に関わる生活スタイルとの関連から, 屋外物置の位置付けやあり方を考察した.結果を以下に要約する. 1) 屋外物置の収納内容を詳細に見ると, 屋外使用品のみ収納している世帯が45%をしめる.中高年層を中心に, 屋内使用の日常品や, 季節用品などの非日常品を収納している世帯も少なくない.さらにびん・缶などの資源ゴミの保管場所として活用されることも多い. 2) ほとんどの世帯が, 収納スペースの不足する部屋を指摘している.屋外物置の収納物は, 収納スペース不足の指摘のある居室に対応するモノであり, 住宅諸室からあふれ出たモノを, 屋外物置に収容していることが確認できる. 3) モノの持ち方や片付けに対する生活態度, 意識より, 収納に関わる生活スタイルをみると, 物持ちがよくそれらをきちっと管理する「こだわりタイプ」 の世帯が半数をしめる.とにかくモノを持つことに価値をおく「とりそろえタイプ」も3割存在する.一方限られたモノをきっちり管理する「すっきりタイプ」やモノを持つことも整理することにも消極的な「あっさりタイプ」は少数派である. 4) 屋外物置の位置付けとして, 1つは, 屋外使用の生活用品, 用具の収納庫としての使い方がある. 実際に収納される屋外使用品は, 積雪地域特有の生活用品や, 温暖地域のガーデニング用具, あるいはスポーツ, レジャー用品など, 地域性を反映する.「すっきりタイプ」の居住者はこの種の使い方が多い.このタイプは若年層が多いことから今後このような使い方は増えると考えられる. 5) 「こだわりタイプ」を中心に, 住宅内にあふれるモノを受け入れることで, 居住スペースの確保と住宅内収納スペースの有効利用を図る使われ方がされており, 住宅内収納空間の不適応を補う, 消極的な意味ながら, 屋外物置を設置する意義は見出しうる. 一方, 屋外物置は一時収納, 処分保留のスペースと位置付けて使われる場合もあり, 住み手がモノの保有や管理のあり方を考えるうえで, 以前の蔵や納戸に替わる有効なスペースとして積極的に評価できる.また, 資源ゴミの分別保管場所としての用途は, そのスペースがまだ一般には住宅内に確保されていない現状では貴重である. 6) 屋外生活品の専用庫として使われる物置は, 収納物とそれに対応する設置場所ごとに, ふさわしいデザインが求められる.一方, 住宅内の収納スペースの延長として使われる場合, 屋内生活品を含めた多様な収納物に配慮して, 耐久性, 棚数, 換気などへの配慮を要する.