本研究の目的は, 高校生の食物と栄養に関する知識を互いに関連づけて理解する力, 栄養に関する基礎的知識, 献立の栄養評価力の相互関連性を明らかにすることである.調査対象は公立高等学校2校の生徒420名である.生徒の作成した概念地図を分析した結果, 家庭科における食物学習後に生徒の食物と栄養に関する知識を互いに関連づけて理解する力は向上していた.分散分析の結果, 食物と栄養に関する知識を互いに関連づけて理解する力, 栄養に関する基礎的知識献立の栄養評価力には関連のあることが明らかとなった.このことから, 献立の栄養評価力を育成するためには, 栄養に関する基礎的知識の定着を図り, 食物と栄養に関する知識を互いに関連づけて理解する力を高めることが重要と考えられる.また, 概念地図を作成した生徒の感想から, 食物と栄養に関する知識を互いに関連づけて理解するための学習ツールとしての概念地図法の有効性が示唆された.