摂取植物油が高リノール酸タイプから高オレイン酸タイプへの変化している影響を調べるため, オレイン酸を多く含む油脂の脂質代謝に及ぼす影響を, モルモットとヒトを対象に検討した.モルモットに高オレイン酸ひまわり油を含む3種の油脂を摂取させたところ, 高オレイン酸ひまわり油群では, パーム油群と比較し血中総コレステロールが低下したが, HDLコレステロールは低下しなかった, 高リノール酸サフラワー油群とは大きな差は無かった.一方, LDLの抗酸化能の充進が示唆された.ヒトに高オレイン酸ひまわり油を摂取させたところ, 血中脂質や生化学パラメーターに大きな変化は認められなかったが, LDLの酸化ラグタイムは有意に延長し, 試験終了後には前値に戻った.モルモット, ヒト双方で血中脂肪酸組成は摂取油脂の脂肪酸組成を反映していた. オレイン酸を多く含む油を摂取した場合の血中脂質に対する影響は, PUFAを多く含む油脂と大きな差は認められなかった.一方, 肝臓や血中のオレイン酸含量が増加することによって, 血中のLDLが酸化されにくいことが示唆された.