ウコギ葉摂取がストレプトゾトシン誘導2型糖尿病ラットの腸内環境に及ぼす影響について, 盲腸内発酵および糞便排泄について検討した.投与した飼料により, 糖尿コントロール群, 糖尿ウコギ群, 糖尿食物繊維(セルロース+ペクチン)群および正常群の4群にラットを群分けし, ウコギの効果を比較検討した. 1) 糖尿ウコギ群の血中HbAlc値は, 糖尿コントロール群に比べ有意に低い値を示した. 2) 糖尿ウコギ群の糞便排泄量は, 糖尿コントロール群および糖尿食物繊維群に比べ有意に高くなった.3) 糖尿ウコギ群の盲腸内短鎖脂肪酸総量は, 糖尿コントロール群および糖尿食物繊維群より有意に高い値を示し, 正常群とほぼ同程度であった. 4) 糖尿ウコギ群の盲腸内 Bifidobacterium 属の菌数は糖尿コントロール群より有意に高い値となった. 以上の結果から, ウコギ葉摂取により糖尿病症状が改善されることに加えて, 糞便排泄量も増加し, 腸内環境の改善が認められた。この効果は, ウコギ葉に含有されるセルロースとペクチンが主因であるが, それ以外の食物繊維の関与も示唆される.