(1) ヒトを用いて, カツオ由来ナイアシン高濃度含有パウダー(カツオパウダー)中のナイアシンの生物有効性について検討した.21~23歳の健康な女子経生8名を対象として, 食事摂取基準を満たす食事を2日間与えた後, ナイアシン51mgを含むカツオパウダー15gを摂取させた.カツオパウダーを摂取した日に, 摂取カツオパウダー中のナイアシンの52%がニコチンアミド代謝産物として尿中に排泄された.カツオパウダー中のナイアシンはニコチンアミド標品に近い, 高い生物有効性を持つことが示唆された. (2) カツオパウダーがストレプトゾトシン(STZ)誘発性糖尿病の予防・改善効果を有するか検討した.5週齢のWistar系雄ラットにカツオパウダー添加食を8日間与えた後, STZ20mg/kg body weightを腹腔内注射し, さらにカツオパウダー添加食を21日間与えた.カツオパウダー摂取によるSTZ誘発性の糖尿病の予防・改善は見られなかった.しかし, STZ誘発性糖尿病によるナイアシン栄養状態の悪化を防止した.