山形県米沢地方で江戸時代より食されているヒメウコギの抗菌作用を検討し, カット野菜に対する鮮度保持効果を調べた. (1) ペーパーディスク法においては, ウコギの抽出液は, 検討した4菌株のすべてに対して抗菌作用を示し, その効果は熱水抽出液が水抽出液よりも高かった. (2) ウコギ熱水抽出液の細菌増殖抑制効果が, すべての菌株に対して認められ, その効果は5%と10%抽出液において同等であった.さらにウコギ抽出液を酢酸エチルおよびブタノールで分画した結果, 酢酸エチル画分で高い細菌増殖抑制作用が認められた. (3) ウコギ5%熱水抽出液で処理したカットキャベツは, 細菌数の増加が抑制され, その効果は100ppmの次亜塩素酸ナトリウム処理と同等であった.また, 官能評価において, ウコギ処理はキャベツの食味に影響を与えなかった.