下水処理水や生活排水と比較して低栄養塩濃度である湖沼水を浄化対象としてヘチマ植栽水路(水路長 25 m,水理学的滞留時間3.8時間)の水質浄化特性を検討した.ヘチマ植栽水路におけるDIPの除去は一次反応であり,その除去速度定数の平均値は 20.8 day-1 に達した.実験期間中に除去されたDINの67%,DIPの90%は,水路に発生した糸状藻類に吸収されていた.糸状藻類はヘチマの根に絡むように存在しており,ヘチマが糸状藻類の発生を促進したことが示唆された.流入栄養塩濃度が低レベルであるにも関わらず既往の植栽浄化施設と比較して高い除去速度が達成できたことから,糸状藻類が発生したヘチマ植栽水路が低濃度の栄養塩の高度処理能力に優れており,富栄養化湖沼水の直接浄化に適した特性を有していることが明らかとなった.