近年,海外の下水道を取り込んだ流出解析モデル (MOUSE, Info Works, SWMM 等) を適用した事例が数多く見られるようになってきている.洪水氾濫解析では地表面流の計算精度向上も重要であるが,豪雨下ではマンホール等から雨水が溢れ地表面に流出することになるため,より現実に近いモデルを構築するには雨水管網の流下能力を適正に予測する必要がある,そこで,本論文では,雨水管をモデル化する際にマンホール部の損失を容易に組み込めるように,流入・流出管がそれぞれ1本ずつ接続する2方向接合円形落差マンホールを対象として,管路とマンホールに関する種々の構造要素を考慮したエネルギー損失係数の推定式を提案する.この提案式では,いくつかの流れの条件や構造条件を除けば30%以内の誤差でマンホール部の損失を推定できる.