高速走行する新幹線の騒音低減を目的に,既設直立型防音壁の上部形状を改良して音の回折と干渉現象を利用することで騒音低減量を向上させる騒音低減装置を開発した.回折と干渉を利用した騒音低減装置が高速走行する新幹線の騒音低減に効果があることを現地試験で確認した後,防音壁の上部形状と騒音低減量との関係を数値解析と実物大模型実験で検証して,鉄道騒音の低減に有効な騒音低減装置の形状を考案した.実物大模型実験の結果,考案した高さ500mm,幅800mmで内部に3つの空間を持つ形状の騒音低減装置は,パンタ部の音源に対しては低減効果が得られなかったものの,レール部の音源に対しては装置と同じ高さの嵩上げよりも約4.5dBの大きな低減効果が得られた.