ダム放流水が河川底生動物群集に及ぼす影響の季節特性を把握するため,宮城県大倉ダムの上下流河川区間で底生動物と河川環境の経月調査を2000年5月から2001年4月まで行った.調査の結果,ダム下流地点では,ダム湖から高濃度の微粒状態有機物(FPOM)が供給された9-11月期に濾過摂食者のウルマーシマトビケラが大量出現したため,総個体群密度が増加し,Shannon-Wiener 多様性指数H’ が低下する季節限定的な影響が見られた.ダム下流地点の分類群数はクロロフィル a 濃度が高い月ほど低下する傾向があった.また,ダム上下流地点間のSorenson 類似度指数を調べた結果,地点間の種の類似性は7-9月期に高いが,11-12月期に大きく低下し,1-3月期にかけて回復する季節的消長を示した.